trip books だより。



昨日、植物のお話をしたところなので
今日は、図書室にある こんな本のご紹介を。


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野の花と小人たち / 安野 光雅 著 (岩崎書店)



画家であり、多数の著書も出版されている 安野光雅さんが
1973年から1975年まで
24回にわたって福音館書店発行の ”母の友” の表紙として描かれたものを
単行本として出版されたものです。



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すみれ、れんげ、つゆくさ、なわしろいちご…
季節に寄り添う野の花たちが
繊細に 美しく、優しく描かれていて
子供の頃に歩いた草道や畦道、山の道などを懐かしく思い出します。
それぞれのページには、
描かれた植物の名前と、それにまつわる小さなおはなしが添えられていて
絵と文章の両方から
自然に生きる植物たちへ向けられたあたたかな眼差しが伝わってきます。



しかし、
文末に掲載された あとがきにかえて と書かれた
野草傷心という文章のなかで安野さんは、”私は花を愛さない” と語っておられます。

それは、どんどんと品種改良されて
本来の美しさ、そのもともとを失ってしまうほど
手をかけ、精魂こめて世話をする
そういった意味で私は花を愛さないのだと。
古来から息づいている植物が、変わらぬ姿で存在し続けることへの安堵
これは原種、つまり
自然なままの姿である植物をこよなく愛しておられるからだと感じました。


この本には、深く納得できるところがたくさんあって
私は、植物と関わる上で大切にしていることの多くを、
図鑑や、育て方マニュアルからではなく この本から学びました。
そんな安野さんに敬意を込めて、
私の好きな文章の一部を掲載させていただきます。





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人間のいるところばかりが世界ではない。
山の中も、道のそばも、
人間があらためて意識しないどんな小さな部分にも、
自然は息づいて、目を見はるような世界をくりひろげているのである。

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自然を愛するのはいいが、野の花によけいなおせっかいをしてはいけない。
人間が危害さえ加えなければ、彼らは虫たちといっしょに
じゅうぶんしあわせに生きていけるはずである。
忘れてならないことは、人間がどんなにえらくても、月へゆくほどえらくても、
花を創ることはできないということだ。
     
        ( 野の花と小人たち / 安野光雅 著  あとがき 野草傷心より)

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喫茶業務と併せて開始した
図書室の開放、貸本のサービスも楽しんでいただいております。
今日ご紹介した本も、
RePSの図書室 trip booksに置いてありますので、
お越しの際にはぜひゆっくりと 読んでみてくださいね!
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by with-reps | 2013-02-13 21:01 | 本と音楽 | Trackback | Comments(0)
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